【百合サイキックホラー映画】テルマ(2017) - 感想
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テルマ(2017)
ノルウェーの人里離れた田舎町で、信仰心が深く抑圧的な両親のもとに育った少女テルマ。なぜか彼女には、幼少期の記憶がない。オスロの大学に通うため一人暮らしを始めたテルマは、同級生のアンニャと初めての恋におちる。募る欲望と罪の意識に引き裂かれながらも、奔放な彼女に強く惹かれていくテルマ。だが、それは封印されたはずの“恐ろしい力”を解放するスイッチだった。テルマは不可解な発作に襲われるようになり、その度に周りで不気味な出来事が起こる。そんな中、アンニャが忽然と姿を消してしまう。果たして、テルマの発作とアンニャ失踪の関係は? 両親が隠し続けてきたテルマの悲しき過去が明かされる時、自分すら知らない“本当の自分”が目覚め始める──。(C)PaalAudestad/Motlys
(引用:Amazonプライムビデオより)
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インパクトのあるジャケット写真ですね。
実際に見てもらえば、これとは異なる印象を受けると思います。
ジャンルとしては「ホラー」になるそうですが、その要素は皆無に近い。
おそらく言われないと気付かないレベル。
ヒューマンドラマをメインに超常現象・・・少しSFが加わった感じかな。
そのため、ホラーを期待して見ると、間違いなく物足りないのですが、
恐怖演出が苦手な人でも、安心して見る事ができるかと。
作品の雰囲気としては基本的に静かな調子がずっと続いていきます。
北欧の映画!って感じですね。
以前に見た『獣は月夜に夢を見る』や『ブルー・マインド』に近い感じ。
まあ・・・このテの作品を狙って見ているのですが笑、テルマも自分好みでした。
(この2作はもっとホラー要素が強いけど)
★『獣は月夜に夢を見る』(2016)
★『ブルー・マインド』(2018)
今作はホラーとは違う、“別の意味”で恐ろしい...
いや悲しいと感じるシーンがありました。
その最たるものが、主人公・テルマの過去。
自身の感情が引き金となって発現してしまう超能力によって、
悲劇が起こってしまいます。
自分では気付いていませんが、彼女はテレポートのような能力があり、
ある人間に対しての感情が強くなると、その人間を別の場所に飛ばしてしまうのです。
また終盤ではパイロキネシス(発火)の能力も発揮します。
しかし『クロス・ファイア』のような、
意図して悪人を裁くダークヒーロー的演出では全くなく、
自分の意志とは無関係に能力を発揮してしまい、
それに対して何が起こったのか分からず苦悩する系。
★『クロスファイア』(2000)
ただ、そうした超能力の演出はそこまで多くは無い。
やはりヒューマンドラマに焦点が当てられている印象。
『京城学校:消えた少女たち』という好きな韓国映画があります。
徐々に自分に隠された能力が開花していくという点では共通してますが、
あの作品では徐々に力が高まっていき、
最後に爆発する刺激的な演出だった覚えがあります。
その点でテルマとは異なりますね。
★『京城学校:消えた少女たち』(2015)
さて、ヒューマンドラマと言いましたが、
注目すべきは「家族の秘密」と「憧れの同級生」です。
作品の冒頭では父親が幼いテルマに銃を向けるシーンがあり、一気に引き込まれます。
先ほど言ったように、テルマは自身も知らない悲劇的な過去があり、
それに関係しているんですね。
両親が彼女の異変を知って、
幼い頃に“起こしてしまった事”について語り始めるんですが、これが本当に悲しい。
この主人公と家族との関係性、隠された秘密が見どころ。
そしてこの作品において、特に重要となっているのが、同級生・アンニャとの関係。
テルマは彼女に恋心を持ち始めて、百合ぃ~な感じになるのです。
しかし、厳格なキリスト教の家庭で育ったテルマにとって、同性愛はタブー。
そんな中、テルマの自分でも意図しない力によって、
物語中盤にアンニャは忽然と姿を消してしまう。
それに気付いたテルマは苦悩して。。。
まあ映画を見て思ったのは、この作品のテーマは「主人公の生き方」ですかね。
こうした辛い境遇から、最終的に彼女はどのような生き方を選択するのか。
ネタバレになるかもしれませんが、見終わった後は清々しい気持ちになりました。
今までの悲劇がウソのように。
そのラストを確認してみて下さい。
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